皮膚科の看護師も8年目に突入しました。
毎年のことながらこの時期になると手荒れの患者さんがかなり増えてきます。
その中には医療従事者もかなり多いです。
コロナが終息してきたとはいえ、消毒や手洗いは欠かせないし、今からの時期は冷水での手洗いが億劫になってきますよね。
ちょっとしたひび割れが痛かったり傷ができて炎症を起こしてしまうと、血液を扱う看護師は感染リスクも高まります。
酷くなってしまった場合は、迷わず皮膚科を受診してほしいのですが、
忙しくて時間がとれなかったりまだ軽症で受診するほどではない人に手荒れのケア方法をお伝えしたいと思います。
・手荒れを起こす原因
・手荒れの予防法
・手荒れの処置の方法
看護師の手荒れの原因
看護師は、頻回に手を洗う回数が多いため「職業病」と言われることが多いです。
ひび割れやあかぎれで仕事に支障をきたし、辞められる人もいらっしゃいます。
職業病だから仕方ないと諦めず、わたしと一緒にケアしていきましょう!
頻回な手洗いと消毒
血液や薬品を扱う看護師は、感染拡大を防ぐために頻回に手を洗い消毒をします。これにより、皮膚の油分が洗い流され、乾燥しやすくなります。
また、今からの時期はお湯の使用頻度も高くなると思います。お湯は必要以上の角層をふやかし、バリア機能を低下させます。バリアが崩れた皮膚から水分が蒸発し、乾燥の要因となってしまいます。
手袋の着用
医療処置に手袋を着用することが一般的ですが、手袋内での温度や摩擦によって手荒れの原因となってしまう可能性があります。
また、手袋内に付着しているパウダー自体が皮膚炎の一因となってしまうこともあるので注意が必要です。
看護師の辛い手荒れを予防するには

看護師の手荒れを予防する方法を3つご紹介します。
保湿剤はこまめに塗る
手洗い後は必須で、あとは気づくたびに保湿剤を塗ることを心がけましょう。
手背(手の甲)は保湿剤を吸収してくれますが、手掌(手のひら)は毛穴がないため保湿剤の吸収が悪いです。手を洗うとほとんど流れてしまうため、こまめに塗り直すことが重要です。
手を洗う回数より、保湿の回数を増やすことを意識して水分を徹底的に入れ込んであげましょう。
保湿剤は、ヘパリン類似物質が配合されているものを選ぶのが◎
保湿剤はたっぷり塗る

保湿剤はたっぷりケチらずに塗りましょう。
すりこまず、3FTUくらいを優しく伸ばすイメージでつけていきます。
薬の塗り方は、1FTU(約0.5g)で手のひら2枚分の面積になります。
▷軟膏の場合:指の第1関節
▷ローションの場合:手掌(手のひら)1円玉大
参考:第一三共ヘルスケア:ひふのいろいろQ&A 皮膚用薬(塗り薬)ってどのくらいの量を塗るのがいいの?|ひふ研|第一三共ヘルスケアひふ研が提供する、Q「皮膚用薬(塗り薬)ってどのくらいの量を塗るのがいいの?」のQ&Aページです。ひふ研は、第一三共ヘルスケアが提供する、皮膚症状、皮膚薬の使い方の疑問に答える情報サイトです。
パウダーフリーの手袋を着用する
手袋内のパウダーによる手荒れが一因の場合は、パウダーフリーの手袋を着用するようにしましょう。
ゴム手袋自体が合わない場合は、ゴムの中に布の手袋をはめておくなどの工夫が必要です。
ただ、採血時には不向きなので素材を変えてもらうなど対応をしてもらいましょう。
手袋の摩擦や刺激を最小限におさえるために、処置が終わったらすぐに外すようにしましょう。
辛い手荒れで看護業務に支障をださせないケアの方法
ここからは、ひび割れやあかぎれが起きてしまって、看護業務に支障をきたす場合のケアについてお伝えしていきます。
ステロイド外用を塗る
ひび割れやあかぎれが起きている症状がひどい部分にはステロイド外用を塗りましょう。
ステロイドは炎症をおさえてくれる作用があるため効果的です。Dr.に相談して処方してもらいましょう!
※ただし、ステロイドは副作用もあるためDr.の指示された回数に従ってください。
キズパワーパッドを貼る
ひび割れやあかぎれのところに、キズパワーパッドを貼るのもオススメです。キズパワーパッドは、水を弾いてくれるので、傷口がしみたり感染を予防するのに効果的です。
ただし、1日に1回は必ず交換してください。
辛い手荒れに絆創膏は控えてほしい理由

よく、ひび割れやあかぎれに絆創膏をつけてくる人がいます。
手を洗うたびに絆創膏が水を吸収するので、蒸れやすくなってしまうんです。
絆創膏は頻回に貼り替えなくていい便利なものですが、真菌(カビ)の原因になりやすいので注意が必要です。
キズパワーパッドは水をはじいてくれるので1日に1回の交換で大丈夫ですが、絆創膏を貼る時はこまめに貼り替えることを意識するようにしてください。
真菌は、患者さんへの感染リスクが高いので気をつけたいですね。
まとめ 日々がんばっている看護師の辛い手荒れとおさらば

ひっ迫している医療現場で、日々患者さんと向き合っている看護師の存在はとても大きいものです。
感染リスクを伴いながら、患者さんへの処置や申し送りでたくさん手を酷使します。
そんな看護師の手荒れを「職業病」で片付けたくない…!
少しでも予防法やケアの方法をいろんな看護師さんに知ってもらえたら嬉しいです。
一緒に手荒れを予防して、仕事にかかる負担を改善していきましょう!
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