皮膚科の看護師をかれこれ8年間していますが、四季を問わず患者さんが途切れないアトピー性皮膚炎。実はわたしも軽いアトピーがあり、冬場は保湿を徹底しないとすぐ雪が舞っちゃいます(笑)
保湿を怠るとつっぱって乾燥による小さなキズができ、いつものスキンケアがピリピリ感じたりします。
特にこれからの季節は気温の差が激しくなり、花粉も始まるのでお肌がゆらぎやすくなります。アトピー性皮膚炎じゃない方でも敏感になりやすい季節ですので、丁寧にケアをしながらメイクを楽しんでいきましょう。
よく聞く“アトピー性皮膚炎”

アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹を主な症状とした、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気のことです。
名前に「炎」という文字が入っているように、皮膚の内部で「炎症」が起こっていて、皮膚が本来もっている「バリア機能」を低下させ、「かゆみ」を引き起こします。我慢できないほどのかゆみのせいで、皮膚をかきこわしてしまい、さらなるバリア機能の低下と炎症を引きおこす悪循環に陥ります。 アトピー性皮膚炎とは|アレルギーiアトピー性皮膚炎では、皮膚の内部で「炎症」が起こっていて、皮膚が本来もっている「バリア機能」を低下させ、「かゆみ」を引き起こします。皮膚をかきこわしてしまうと、さらなるバリア機能の低下と炎症を引きおこす悪循環に陥ります。アトピー性皮膚炎では...
敏感肌向け化粧下地の選び方

まずは敏感肌向けの化粧下地を購入する前にチェックしておきたい「5つのポイント」を皮膚科看護師が優先してほしい順位でお伝えします。
エタノールフリーのものを選ぶ
エタノールなどのアルコール成分、合成香料、石油系の界面活性剤などは、注意したい成分です。アトピーや敏感肌の人は角質層に隙間ができているので上記の強い成分で刺激を受けやすくなってしまいます。お時間に余裕のあるときは、敏感肌用・低刺激の文字だけでなく裏側に記載されている成分表をみてから購入するのもいいかもしれません。
石けんで落ちるものを選ぶ
石けんで落とせるものは、お肌に優しい成分でつくられています。「ミネラルコスメ」や「石けんで落とせる」ものを選んでみてください。
クレンジングやW洗顔をすることで肌への負担がかかってしまうので洗いすぎにも注意が必要です。
テクスチャーは柔らかく伸ばしやすいものを選ぶ
何度もお伝えしていますが、アトピーや敏感肌の人は角質に隙間ができているため、摩擦を起こすことでさらに皮膚へのダメージが起こり刺激を受けやすくなり乾燥や湿疹の原因になってしまいます。
下地に限らず、日焼け止めやリキッドファンデーションはテクスチャーが硬めのものより柔らかめのものを選ぶようにしましょう。とろっとしてたり、さらっとしてるテクスチャーの方が肌に負担をかけず優しく伸ばすことができます。
店舗によってはテスターが置いてあるところもあると思うので、一度手の甲で確認してから購入を検討してみるのもよいですね。
保湿成分が入っているものを選ぶ
角質の隙間から水分が漏れだして乾燥を引き起こしているので、アトピーや敏感肌の人はこまめに保湿をして水分を入れ込んでほしいので、下地にも保湿成分が入っているものをなるべく選んでください。
「セラミド」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」「スクワラン」または「植物オイル」など保湿成分にはさまざまなものがありますが、保湿成分がたっぷり入っているものを選びましょう。
ノンケミカルのものを選ぶ
紫外線などの外部刺激により肌への負担が悪化してしまうので、UVが含まれている下地を選んで欲しいのですが、ここで注意してほしいのが「紫外線吸収剤」が含まれていないかどうかです。
紫外線吸収剤は紫外線カットが高い分、肌への負担が大きかったり敏感肌の人は刺激を受けやすいです。「紫外線吸収剤フリー」「ノンケミカル」と書かれているものを選ぶのがよいでしょう。
また、花粉ブロックやPM2.5ブロックなどの、外的刺激を抑える機能がある下地もあるので、そちらもおすすめです。
「パッチテスト済み」「スティンギングテスト済み」だから安心ではない!
「パッチテスト済み」「スティンギングテスト済み」と書かれているから大丈夫はとても危険です。
ひとりひとり、肌の薄さも強さも違います。低刺激処方だからといってすべての人が問題なく使えるわけではありません。
また、お顔は体と違い皮膚が薄く刺激に反応しやすい場所です。「ずっと前から使っていました」とおっしゃられる患者さまは多くいらっしゃいますが、今まで問題なく使えていた化粧品やスキンケアでも、お肌が不安定なときや季節の変わり目で外的刺激などによってピリピリしたり、合わなくなることはあります。
書かれている言葉に楽観視せず、自分のお肌に合ったものを選ぶようにしましょう。
皮膚科看護師が選ぶ化粧下地5選
「使ってみたい!」「これも良さそう…」と思うものはたくさんあるのですが、今回はわたしが実際に使用してよかったものを5選ピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。
▶︎ETVOS(エトヴォス)『ミネラルインナートリートメントベース』
「肌へのやさしさ」にこだわったベースメイクで有名なETVOS。
まるで美容液な使い心地で、テクスチャーも軽いです。使った瞬間、肌のトーンがクリアになり厚塗り感がないのでこれが素肌ですと言えちゃうくらい綺麗に仕上がります。
乾燥による小じわも防いでくれる上に、セラミドや植物性オイルの保湿成分がたっぷり入っていて石けんオフできるのも嬉しいですね。

▶︎ラロッシュポゼ『UVイデアXL プロテクショントーンアップ』
ドラッグストアで手軽に購入できるラロッシュポゼ。
肌のトーンアップとツヤ感が綺麗にだせます。急いでるときは、これ一本で済ませられちゃうのでオススメです。
SPF50++++も入ってるのに石けんで落とせるのも嬉しいポイントです。また、花粉やPM2.5が気になるときもお肌を外的刺激から守ってくれます。

▶︎資生堂『エリクシールルフレ バランシングおしろいミルク』
忙しい朝の時短メイクに優れすぎていて、職場の人におすすめしたら全員買ってました。
乳液と下地と日焼け止めを詰め込んでくれているので、寝坊した朝でも化粧水とこれ一本でベースメイクOKなんです。ドラッグストアで買えます。
綺麗なツヤを一日中たもってくれつつ、テクスチャーも柔らかいのが特徴です。
皮脂と水分のバランスを整えてくれる「スキンバランス処方」とクレンジング不要で石けんOKなのもポイント高めです。

▶︎常盤薬品『ノブ モイスチュアベース UV』
薬品会社さんの化粧品で病院でも取り扱っているので絶対的安心感と信頼感があります。お肌が綺麗な友人が「ノブ」のスキンケアとベースメイクを使用していたので真似しました。
お肌のうるおいをたもつ成分「スクワラン」「ヒアルロン酸Na」「リピジュア®」を配合し、お肌のうるおいを長時間持続してくれます。かさつき、粉うき、化粧くずれを防ぎ、きめ細かなお肌に仕上げてくれます。

▶︎ネイチャーズウェイ『ナチュラグラッセ メイクアップ クリーム』
自然派コスメ代表ともいえる「ナチュラグラッセ」。独自のブランドのこだわりが強く、すべてを兼ね備えたまさにアトピーや敏感肌向けにつくられたコスメだと言えます。
カバー力は控えめですが、自然なツヤと素肌感をこれ一本で演出してくれます。オールインワンなので、朝のメイクの時短にも繋がりますね。
イエベ・ブルベの肌色に関係なく、どの色を選んでも素肌にきれいに馴染んでくれるのが特徴です。

まとめ

今は、いろんな化粧品メーカーから敏感肌向けのものが豊富にでているので、ひとつ合わなくてもそれに固執する必要はまったくありません。自分の肌がもっと好きになる、自分の肌にあった下地を見つけてメイクを楽しんでほしいと思います。
そして、もし少しでも肌が荒れてしまったら、迷わず近くの皮膚科を受診しましょう。
外用や内服もたくさんあり、いまはいろんな治療法があります。その人にあった治療を行なっていくことができるので一人で悩まずに、まずは相談してみてください。

准看護師10年、皮膚科歴8年の美容大好きナースです。培ってきた皮膚科の医療知識と美容を掛け合わせた発信をしていきます。休日はNETFLIXをみたりキャンプでデジタルデトックスしてます。
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